サラディン Saladin (ラテン語)、

  サラーフ=アッディーン Salah al-Din (アラビア語)

 …「救いの教え」。

  cf. アラビア語のサラーフ Salah 「救い」とディーン Din 「教え」から。イスラーム

  世界で、個人の業績や身体的な特徴に基づいて名付けられる尊称やあだ名の

  ことをラカブというが、サラーフ=アッディーンもそれに当たる。

   本名はユースフ=ブヌ=アイユーブ(「アイユーブの息子ユースフ」を意味し、

  ユースフはヨセフのアラビア語形。ブヌはアラビア語で ibn- と同じ「〜の息子」の

  意味。アイユーブは、『旧約聖書』ヨブ記で知られる人物ヨブのアラビア語形)。

   サラディンはヨーロッパ人による呼称で、ラテン語のサラハディヌス Salahadinus

  やサラディヌス Saladinus を短縮して慣習的に用いられたもの。